なんでお前が…

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見事にビンタを喰らったところに手形 真っ赤 まだ痛い さてと、今日は日曜日 特にやることも無し 二度寝も済ませた(強制的に) 特に行く宛も無し 莉沙だから気を使う必要も無し いつもの平和な日曜日だ… あれ? もしや莉沙も許嫁? …… 「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 「ひゃっ?」 莉沙は読んでいた雑誌を床に落とした 「な、なによ!いきなり!」 「まさか!?莉沙も許嫁の一人!?」 「そうよ!な、何か問題ある!?」 顔を真っ赤にして莉沙が答える 強がってるけど本当は恥ずかしい証拠 「って莉沙」 「ん?」 「お前いつこっち(日本)に帰って来たんだ?」 莉沙は今から5年前の夏 フランス料理の勉強をしに行くと一人フランスへ行ったきりだった 「先週よ。シェフが習得が早いって驚いてたわ」 莉沙はリビングの角に置いていた荷物の中から紙切れを取り出した 『Lisa Watanabe(莉沙 渡辺)』 それ以外は恐らくフランス語なので読める気配がない 恐らく習得を修了した証書だろう 「おかえり…莉沙」 「ただいま…」 莉沙は泣いて俺の胸に飛び込んできた 「寂しかった…ずっと亮介が居なくて…いつも隣で笑ってバカやってる亮介が居なくて…」 どう声をかけていいのかわからず 俺はそっと莉沙を抱き締めた 莉沙はそれに応えるかのように抱き締め返してきた
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