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…………カチッ。
ジリリリッッ……
「……お・おはよ……。」
「おはよ。」
………ね・眠い。
『お風呂入らないと…。』
私は、眠たい目を擦りながら、シャワーを浴びる。
シャワーの次は、化粧。
女の朝は色々忙しいのだ。
いつもは、適当な私の化粧も高橋さんに会えると思うと、少し念入りになった。
美貴も眠そうに化粧をしながら、準備を進める。
タクシーに乗り込み、会社に出発!
昨日の雪は、どこにいったのか、すっかり溶けていた。ただ、道路の横には、泥で茶色くなった、雪が少しだけあった。
『私の心の雪は、あんな色なのだろうか?それとも真っ白?』
何、訳の分かんないこと考えているんだか………。
会社に到着。
高橋さんは、まだ出勤しない。
7時になったら、仕事開始!朝御飯の準備など、慣れない支店とは言え、一生懸命働いていた。
玄関に立っていた私………。
…………『あっ!高橋さんだ!!』
私は、高橋さんを見つけた。
「おはようございます」
ちょっと、照れ臭そうに言った私に、
「おはよー。日本酒残ってない?」
「……はいっ!大丈夫です」
一瞬、高橋さんの笑った顔が見えた。
さっきまで、仕事で一生懸命だった、私の顔は、高橋さんのたった一言で、笑顔になった。
『今日も楽しくなりそう!』
私は、るんるんで、仕事に励んだ。
夕方、仕事が終わった。
「手伝いに来てくれてありがとうね。また手伝いに来てね。」
高橋さんが、駅までの道のりを車で軽快に飛ばしながら、言った。
『また、札幌に来てもいいなぁ…。楽しかったし。』
私と美貴、そして新人の三人は、高橋さんにお礼を言い、車を降りた。
『また、いつか、札幌に来るのかな。高橋さん、楽しいし、たまになら、いっか。』
『まっ、どうでもいっか。』
………いつもの私の独り言。
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