第一章

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…………カチッ。 ジリリリッッ…… 「……お・おはよ……。」 「おはよ。」 ………ね・眠い。 『お風呂入らないと…。』 私は、眠たい目を擦りながら、シャワーを浴びる。 シャワーの次は、化粧。 女の朝は色々忙しいのだ。 いつもは、適当な私の化粧も高橋さんに会えると思うと、少し念入りになった。 美貴も眠そうに化粧をしながら、準備を進める。 タクシーに乗り込み、会社に出発! 昨日の雪は、どこにいったのか、すっかり溶けていた。ただ、道路の横には、泥で茶色くなった、雪が少しだけあった。 『私の心の雪は、あんな色なのだろうか?それとも真っ白?』 何、訳の分かんないこと考えているんだか………。 会社に到着。 高橋さんは、まだ出勤しない。 7時になったら、仕事開始!朝御飯の準備など、慣れない支店とは言え、一生懸命働いていた。 玄関に立っていた私………。 …………『あっ!高橋さんだ!!』 私は、高橋さんを見つけた。 「おはようございます」 ちょっと、照れ臭そうに言った私に、 「おはよー。日本酒残ってない?」 「……はいっ!大丈夫です」 一瞬、高橋さんの笑った顔が見えた。 さっきまで、仕事で一生懸命だった、私の顔は、高橋さんのたった一言で、笑顔になった。 『今日も楽しくなりそう!』 私は、るんるんで、仕事に励んだ。 夕方、仕事が終わった。 「手伝いに来てくれてありがとうね。また手伝いに来てね。」 高橋さんが、駅までの道のりを車で軽快に飛ばしながら、言った。 『また、札幌に来てもいいなぁ…。楽しかったし。』 私と美貴、そして新人の三人は、高橋さんにお礼を言い、車を降りた。 『また、いつか、札幌に来るのかな。高橋さん、楽しいし、たまになら、いっか。』 『まっ、どうでもいっか。』 ………いつもの私の独り言。
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