第一章

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相変わらず、外は寒い。 それでも、春は確実に近づいていた。 道路には、雪が多少あるもののベチャベチャと音をたてながら、少しずつ溶けていた。 空は、あの時とは違い灰色がかった色をしている。 ………それは、私の心がそうみせていたのだろうか………。 …………私は、まだ迷っていた。 この仕事をいつまで続けるのか…………。 私は、もう26歳。今、転職しないと、ずっとこの仕事をし続けなければならない気にもなっていた。 別に、今の仕事を辞めたい訳ではない。 会社自体は、それなりに楽しかったし、仕事にも慣れてきていた。 仲のよい、美貴や小雪がいることも仕事をやめれない理由の1つだった。 そして何より、『結婚するかもしれない』この理由が1番大きかった。
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