第二章

4/4
前へ
/119ページ
次へ
いつも通り、買い物袋にアルバイト情報紙を入れて、出勤する。 今日は、比較的暖かい。雪がまだあるものの、小春日和とでもいうのか。 太陽を見るとまるで万華鏡のように光がいくつもの方向に散らばっている。 会社の事務所に入る私。 「おはよ~ございま~す。」 小雪がいた。小雪は私に興奮した面持ちで、話しかけてきた。 「マサ、今月でいなくなっちゃうんだってぇ~。」 「え゙ぇ~。さみしいねぇ。折角、仲良くなったのに。次は誰が来るんだろう。」 マサとは、うちの支店長の事。 私たちは、マサがいなくなる寂しさを少し感じながらも、次に誰が来るのか。という事を楽しみに考えていた。 『楽しい人なら、いいなぁ。……まっ、関係ないか。私、早く次の仕事見つけたいし。』 私は、心のなかで思った。 相変わらず、外は晴れ晴れしていた。そんな小春日和の天気が、私の心にあった大きな黒い雲を一気に吹き飛ばそうとしていた。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

229人が本棚に入れています
本棚に追加