第三章

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マサがいなくなった4月。私は、少し緊張した顔で、いつもどおり会社に向かった。 人見知りの私は、新しく来る支店長がどうか話しやすい人であるように。と祈らずには、いられなかった。 顔を強張らせながら入った事務所。 「おはようございます。」 入った瞬間、私の顔が笑顔に変わった。 『見たことある。………あっ!札幌の高橋さんだ!』 私は、素直に嬉しかった。高橋さんは、話しやすかったし、面白かったし、いい人だったもんっ。 「おはよー。これからよろしくね。」 高橋さんが私に微笑みかける。眼鏡の向こうから、優しく笑いかける姿が印象的だった。
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