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さっき美奈穂が投げてきた箱の中には、俺がずっと欲しかった-magmoco-の腕時計が入っていた。
俺が買おうとしてるのを、高いからって止めた美奈穂。
シルバーの時計が悲しく音をたてる。
《カチッカチッカチッカチッ…》
『………』
このまま失いたくない。
好きだから。
愛してるから。
嫉妬や
束縛ばかりして
こういう時にちゃんと伝えられなきゃ意味ないっ!!
『……美奈穂!!』
名前を叫んで、俺はセッタも履かずに玄関を飛び出した。
『うー…寒ぃーっ!!』
外は雪が降っていて、オマケに俺はロンTに半ズボン、くるぶしという服装。
だけど、
そんなの、俺にはもう関係なくて、ただ君に伝えなきゃいけない事があるから。
『ー…美奈穂!!』
美奈穂「ー…海弛!?何その格好!!」
美奈穂…
《…ギュッ》
優しく包みこむ。
暖かくてとろけそうな。
心臓の音が心地良い。
美奈穂「ど…どうしたの!?」
俺の腕の中で、美奈穂は焦りながらも、頬を赤らめた。
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