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夕闇せまる公園でいつも思うコトがあった。
お家の人が、もうご飯だよと言って迎えに来てくれるコトが、
手と手をつないで、笑いながら歌いながら帰っていく姿が、とてもうらやましかった。
僕はいつもそんな光景を見ながら、
砂まみれの両手に伝わってくる体温を想像する。
ひとり、ふたりと、誰かに手を引かれてお家へ帰っていって、
結局最後は僕ひとりで砂場にお城を作る。
待ってた。
誰かが僕の名前を呼んで迎えに来てくれるのを。
パパもママも忙しいヒトだから、来てくれないのはわかってる。
だから、迎えに来て、のおねだりはきっと苦痛にしかならないだろうから黙ってた。
でも、そんな時間を少しでも僕の為に空けていて欲しかった。
僕が口にしなくてもわかってくれるはずと期待してた。
だけど、
今日もひとりでたどる、お家へと続く道。
夕闇せまる公園でいつも思うコト。
パパやママと手をつないで帰る帰り道はどのくらい幸せなのだろう、
涙でにじむ帰り道はあとどれくらい繰り返せばいいんだろうって。
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