愚かな女。

社長

それからもう一つ。

和さんの年齢からしたら、それが普通なのかもしれないけど…

和さんは服装や髪型など全く気にしない人で、21歳の私からしたらダサいと思えた。

50歳の社長はかなりオシャレなのになぁ。

和さんと出会った頃は夏だったので、薄着だしなんとも思っていなかったけど、秋になるにつれて…

和さんの服装はかなりダサくなり、髪の毛も真っ黒で髪が伸びるにつれて天パが出て来た。

なんだか一緒にいるのが恥ずかしくなってしまった。

だから私は和さんに「髪の毛、色変えないの？」と何気なく言ってみた。

すると「ゆっりんは黒かったら嫌？ゆっりんが嫌なら髪の色染めるよ」と言ってくれたので、取り敢えず私は安心した。

髪の毛を茶色くして、服装にもう少し気を使ってくれたら私は和さんを好きになれるかも…と思った。

元々、和さんに押し切られた形で付き合い始めたし、この時点で私は和さんを好きにはなっていなかった。