タクシーの生き様

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オレはタクシーを忘れない きっと、 生まれて初めての乗り物はタクシーだったはずだ そんなタクシーを忘れない 家でタクシーを呼んだとき、 家の前でタクシーを待つのが好きだった そんなタクシーを忘れない なんとなく、 今でも覚えているタクシーの電話番号がある そんなタクシーを忘れない 修学旅行で乗った、 東京のタクシーは青森のタクシーとなにかが同じでなにかが違った そんなタクシーを忘れない 死んだおじいちゃんが、 タクシーに乗るたびに領収書を集めてたことを最近思い出した そんなタクシーを忘れない バスよりかは高いが、 バスよりかは安心できるタクシー そんなタクシーを忘れない 友達とワリカンして帰った、 明け方の道 そんなタクシーを忘れない 今までどれぐらいのタクシーに乗って、 どれぐらいの運転手に出会ったんだろう そんなタクシーを忘れない きっと、 初めて一人でタクシーに乗ったのは小学校四年生のときだろう 入院してたおじいちゃんのとこへ学校から直接向かった ランドセルを背負い、 緊張しながら二千円を握り締めていたオレに、 タクシーの運転手は優しかった そんなタクシーを忘れられない オレはタクシーを忘れない
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