タクシーの生き様

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オレはタクシーを忘れない 友達と駅前で酒を呑んだ 帰りは別方向だ そこで別れ、 おもむろにオレは歩き出す 周りにはまばらではあるが人通りもあり、 車、もちろんタクシーも走っていた そんな中、 オレは一人で歩き出す 一人、 歩いている 時間が経ち、 人も車も見掛けなくなった 疲れもあり、 段々と歩くのがゆっくりになってきた それでも一人、 歩くのは止めない 独り、 歩いている コンビニの明かりも見つからず、 車も通らなくなった そんなとき、 一台のタクシーがやってきた オレは手をあげた タクシーはハザードをつけて停まり、 ゆっくりドアを開ける オレは迷いなく乗り込んだ タクシーの運転手が尋ねる どちらまでですか 久しぶりの会話だ 時間的にはそんなに経っていないはずだが、 久しぶりの会話だ オレはタクシーに乗った タクシーの中は、 一人ではなく二人になった オレは行き先を告げた タクシーはゆっくり動き出した オレが歩くはずだった道を走り出した そんなタクシーを忘れない オレはタクシーを忘れない
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