冬の生き様

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今まで全幅の信頼をおいて体を預けていたベッドから立ち上がり、 窓を開けてみた。 冷たい風と雪が我先にと部屋の中に入り込む。 これ以上はせっかくの決意を鈍らせると思い、 また外から遮断された空間に戻した。 このまま外に出たら、 家からたった数mのところでも力尽きるだろう。 鈍い体を動かし、 近くにあったジャンパーを羽織った。 ジャンパー自体もひんやりとしていたが、 それでも大事な防寒具である。 寝ている家族を起こさないようにジャンパーの衣擦れと足音に気を配りながら階段を下りた。 置いてある自分の財布から三百円だけ抜き取り、 静かに玄関に向かった。 毎回、この瞬間は自分が泥棒かこれから家出でもする少年になったかのような気持ちになる。 家族にバレないようにする必要はないが、 わざわざ寝てるのを起こす必要もない。 ただなんとなく、 誰にも気付かれずに夜の空間へと飛び出すことを楽しんでいる自分がいるだけだ。 暗闇の中で玄関の鍵をそっと開け、 静かに静かに外の空間へと飛び出した
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