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学都物語のはじまり
「暇だなぁ・・・」
そうやって呟くのは、学都高校一年の涼風 椿(すずかぜ つばき)である。髪の毛は少しいじってあって、所々跳ねたような感じになっている。
今は四月の後半で、土曜日である。この時期は、新しい友達ができ始めて、共に遊びに行ったりするものである。
「暇って言ってもなぁ・・・」
ここは学生寮の中である。当然お隣りさんも、
「いょぅ!椿元気かぁー!!」
そう言ってドアに突っ込んで、無理矢理に近い形でドアを開けた。ドアがミシミシではなく、ベキとなったが大丈夫なのだろうかと思った。
「おい、ドアは大丈夫なんだろうな、朝倉・・・?」
朝倉と呼ばれた少年はお隣りに住むいわゆる腐れ縁で、少等部からいっしょなのである。
「大丈夫、ダイジョウブ、 なんとか半壊は免れた」
「それはなにか異常をきたしたんじゃないのかい?」
ドアが少し傾いているのが誰の目にでもわかる。風に揺られるたびにキイキイと鳴っている。
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