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そして、ゆずは嬉しそうに言った。
「四つ葉じゃなければいけないの。だから、葉が1枚少なくてもダメ。私達4人も、この四つ葉のクローバーみたいになれたらいいね。」
ゆずはそう言って、人差し指で頬をポリポリとかいた。
ゆずも顔が赤くなっているのだろうか?
それはやっぱり夕日でわからないけど、僕には構わなかった。
今、目の前でゆずが笑顔でいる事だけはわかるから……。
「今日はすっかり道草を食ったね。」
「あはは。道草は食べ物じゃないのにね。」
「うん。でも、僕は道草がすごく好きだよ。」
「私もだよ。」
僕達はまた一緒に笑った。
僕は今日の道草と、四つ葉のクローバーをきっと忘れない。
それはそれは最初で最高の道草だったんだから─。
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