プロローグ

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「新しい方は効き目弱いらしくてさ、今までの方が売れるな。」 「私の客もそう言ってた。」 「効き目が軽そうだから、手が出しやすいってのもあるんじゃないですかね?」 「俺は効きそうなのを選ぶけどなぁ…」 「その分、値も張るでしょうね」 「そりゃあそうだろ。」 「まぁでも新規の客には新しい方が安いから売りやすいけどな。」 一通り意見を聞き終わると、センリは満足げに微笑んだ。 「そう。  みんなご苦労だったね。」 そしてセンリが鞄から袋を出した。 その中には包み紙に包まれた飴らしき物がいくつも入っている。 「とりあえず今月のノルマ渡すから、足りなくなったら連絡くれな。」 そう言ったセンリの周りには、待ってましたと言わんばかりの学生らが列を作った。
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