【現実】

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誰かを思い歌詞を書く… 誰を思って書けばいい… 僕はいままで出会った人達の事を考えた… だけど…なぜかピンとこない… 「ハァ…難しいなぁ…」 僕は机から立ち上がりベットに横たわった… すると… 【トントン】 部屋の扉を叩く音がした… 「はぁい??」 僕が返事をすると扉が開いた。 「奏、あんたちょっとは勉強しなさいよ…」 「あー、わかってるよ」 僕のお母さんだ。お母さんは看護婦の仕事をしていて夜勤もあるから中々大変そうだ… 「奏、あんた…高校には行くんでしょ?」 「そのつもりだけど…なんで?」 「今は音楽なんかより、高校に進学する事のほうが大事じゃないの?音楽はその後にでも出来るじゃない…」 僕はベットから立ち上がり 「そうだね…わかったよ。じゃあちょっと勉強しようかな…」 そう言うと僕は机に向かった… 「頑張ってね!後で夕飯持ってくるから。」 「うん…」 そういってお母さんは扉を閉めた… なんの為に行きたくもない高校なんて行かなければならないのか… 何の為に人は勉強するのか… 僕は、はなから高校なんてどうでもいい… 僕はみんなの心に残る様な音楽をつくりたい… お母さんには悪いけど…今やりたい事は……音楽なんだ… 僕は机に座り勉強はせずに斉藤さんに言われた歌詞をもう一度書き直した…
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