【現実】

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「バンド…奏くんは何をしてるんですか?」 「俺?俺は歌う人!ボーカルだよ!まぁ……下手だけどね」 僕が照れながらそう言うと彼女は嬉しそうに 「すごーい!!歌……聞いてみたいなぁ…」 と言った。 僕も彼女に歌を聞いてもらいたかった… 「じゃあ今度俺達の倉庫に連れて行ってあげるよ」 僕が彼女に言った だけど彼女は 「無理…私…もうここから出れないの…」 そういえば…彼女なぜ病院にいるんだ… 「なぜ……出れないの…??」 僕が彼女に問いかけると彼女はまた下を向いた… そして、少しして顔を上げた。 「また来てくれる?」 ごまかされた。人には言いたくない様な事もあるからな… 「うん。また必ず来るよ!」 「よかったぁ!嬉しい。ありがとう。」 「俺は学校があるから…明日から朝ここを通って声かけるよ」 「わかった!じゃあ私は朝ベランダに出てバイオリンをひいて待ってる。そういえば…今日学校は?」 ヤバイ…すっかり忘れてた… 「やばっ!忘れてた!!急がないと…ごめん!もう行くね!」 そう行って彼女の前から走り去ろうとした時… 「名前…なんて呼んだらいい?」 「好きに呼んでいいよ。」 「じゃあかぁーくん…」 「わかった!」 かぁーくんかぁ………悪くないな…… 「私もなんでもいいから。好きに読んで。」 「りょうかぁい!」
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