【現実】

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「名前…なんて呼んだらいいかなぁ…」 僕は今朝の事で頭がいっぱいだった… 「おい!奏!お前今日おかしいぞ!遅刻はするわ…一人でブツブツ言ってるわ…具合でも悪いの??」 心配そうに崇が話しかけてきた… 「あっ!!大丈夫大丈夫!わりいわりい!アハハハハ…」 僕は慌てて笑顔を振り撒いた! 別に彼女の事、隠す必要もないが…まだ別に話す必要もないからな… 「心配すんなって!」 僕はそう言って崇の背中を【ポン】と叩きその場を走り去った… 僕はいつの間にか、彼女の事ばかり考える様になっていた… 授業中も休み時間も…掃除の時間も… 「起立!礼!さようなら!」 「はい!じゃあみなさんまた明日!」 やっと終わった… 今日の予定は… 「近くの楽器屋にギターのピックと弦を買いにいかないとな…」 僕は鞄を持って下駄箱に急いだ! 下駄箱には崇とバンドのメンバーか待っていた… 「よぉ奏!お前楽器屋に行くんだろ?一緒に行こうぜ!」 「わりい…ちょっと寄る所があるから…その後行くから先に行っててよ…」 「なぁんか最近…つれねぇよなぁ…なんか俺達に隠してんじゃねぇの?」 やっぱり崇は幼なじみだけあっていつも敏感だ。 「別に隠してる事なんてねぇよ。後で絶対行くから。」 「まぁいいや!なんかあったら絶対に言えよ!じゃあみんな行こうぜ。」 そう言うと崇はドラムのスティックで遊びながら歩いて行った… 「ちょっと病院の横…通って行こうかな…」 僕は最初からそのつもりだった… 「彼女…いるかな…」 僕は彼女と約束もしてもいないのに、一人でワクワクしながら草むらに向かった…
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