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誰かがずっと謝っている気がした。
(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい)
女の人の声だ
さっきからしつこいな・・・
何をそんなに謝っているんだろう
謝られる方だって
これだけ謝っているのだから許してやればいいのに
どんな過ちだって許されないことはないはずだ
取り返せないミスなんてない
(ごめんなさい)
取り返せないミスならば尚のこと許してやるべきだ
今更謝ったってどうにもならないのだから
もういい加減に許してやれよ・・・
「圭一」
「そろそろ着くぞ。二日ぶりの雛見沢だぞ、圭一。」
━昭和58年初夏━
俺は前原圭一。画家である父の都合で雛見沢に引っ越してきて3週間になる。
圭一「いってきまーす!」
母「圭一、忘れ物はない?」
圭一「大丈夫だって!」
コンビニもファミレスもないけれど、ここでの生活は悪くないものだ。
新幹線や電車やらを乗りつぎ数時間、そこから更に車で山道を登る。
そんなへんぴな場所に、ここ雛見沢はある。
親戚の葬儀で二日間都会に行っていたが、田舎に帰りたくて仕方なかった。
俺はこの雛見沢の生活が気に入ってるみたいだ。
その理由ってのが・・・「圭一くーん!おっはよーう!あわてて来たのかな?・・・かな?」
圭一「相変わらず早えなー、たまには寝坊してもいいんだぜ?」
レナ「レナがお寝坊したら圭一くんを待たせちゃうじゃない」
レナが寝坊したら俺が待つ?レナには俺が「待っててやるほど優しい男」に見えるのか。
じゃ一つからかってやるか
圭一「そんときゃ置いてく」
レナ「えぇっ!?」
レナって奴はからかうとかなり面白い。
圭一「さくさく置いてく、きりきり置いてく!」
レナ「どうして冷たいんだろ・・・だろ?」
ほら、すぐ本気にして大慌てする。
レナ「圭一くぅーん!」
よーしこの辺で
逆方向から攻めてみるか
圭一「嘘、レナが来るまで待ってる、ずーっと待ってる、いつまでも!」
これでトドメだ!
レナ「わ・・・わわ、あ、ありがと・・・」
(作戦成功!!)
圭一「いこうぜ!!魅音をまたせると、うるさいぞ」
このすぐボーっとなる変な奴は、竜宮レナ。こっちの方向のネタにとことん弱いらしい
まだ知り合って1か月もたってないが、変わっているのは名前だけじゃないことは、よくわかる。
「こらーッ!」
圭一「ん?」
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