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調度その時、私の母は耳の病気で入院していた。
小さい頃から母にひっついていた私は、なんでも母に話す子だった。
そして、母が入院中の時は、母と交換日記をしていた。
でもそんな病気の母にイジメの事を言うと心配かけてしまう…そう思うと日記にも書けなかった。
書くことと言えば、
“昨日のテレビが面白かったよ”
“明日から試験だよ~”とかだった。
そして母が入院している間は、父が私のお昼のお弁当を作ってくれた。今まで母に任せっきりだった父は、困惑しながら作ってくれていた。
お弁当の中身は、簡単な缶詰のおかず。
でも、父は玉子焼きだけは作って入れてくれた。
簡単でも私はすごく嬉しかった。
…でも一緒に食べてくれる友達はいない。
私は探しものをするフリをしたり、教室の外に出て時間をつぶした。
父が一生懸命作ってくれたお弁当。
捨てるなんて絶対に嫌だった。
放課後はTにビンタされる毎日。
私は父が仕事から帰って来る前に泣きながら家でお弁当を食べていた。
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