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母は父の会社にすぐ電話をして、2人で学校に抗議に来てくれた。
担任は女の先生で、私は始めから期待はしていなかった。
先生は、私とT・そしてTの手下だった『N』を保健室に呼んだ。
私は恐怖からブルブルと震えた。
TとNはひたすら
『ごめんね。ごめんね。仲良くしようね』
と言った。
私はTとNが解ってくれたんだと信じて、
『いいよ』
と返事をした。
それから、イジメはなくなり、学校以外でもTとNと遊ぶことが多くなってきていた。
ある日、TとNが私の家に遊びに来ることになった。
テレビを見たりして、何も疑う事なく過ごしていた。
そして、外に遊びに行くことになり、私はバックに財布とハンカチ、家の鍵などを入れて、玄関に置いた。
Tがトイレに行ったあと
『水が流れない』
と言ってきた。
そんなこと今までなかったので焦った。
すると、玄関に置いてたバックの中に入れたはずの財布がない。
私が部屋や玄関で探していると突然TとNが
『私達、帰るね』
と言い出した。
中学生だから高額なお金が入ってるわけじゃないので、財布はあとから探すことにして、私は自転車で帰る2人を追いかけた。
『待ってー』
大声で叫んだが、あっという間に2人の姿は小さくなってしまったので追いかけるのを諦めた。
私は家に帰って財布を探すことにした。
自分の部屋。
居間。
玄関。
何度も何度も同じ所を探した。
そして、私はトイレが流れないと言ったTの言葉を思い出した。
まさかと思いましたがトイレの中を探してみた。
…あった。
トイレのタンクの中に。
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