応援団。

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トイレのタンクの中に入れられてた財布の中身は空っぽだった。私は   『あー。イジメは終わってないんだ』   と、ガッカリした。   次の日からT達はまた無視をした。私もさすがに怖くなってきて、お金の事は聞けなかった。 担任の先生にも両親にも、その事は言わなかった。   そんな時、体育祭の時期が来た。 体育祭では応援団がありクラス代表で男女各2人ずつ応援団に参加しなくてはならなかった。 平等にくじ引き。   私は応援団になってしまった。   でもそれがよかった…   放課後は応援団の練習でT達から逃れる事が出来る。 日中は相変わらずイジメの日々だったが、放課後が楽しくてたまらなかった。   違うクラスの子達はイジメの事は知らないし、先輩もみんな男女仲良くしていた。   私が息抜きできる唯一の場所。   でも体育祭が近付くのが嫌だった。 練習がなくなればまた元にもどってしまう…。   そう思いながら迎えた体育祭当日。   明日からが不安だったが、私は悔いのないように応援した。   まるで、自分を応援するかのように…。   私達は練習の成果をだし、優勝することができた。 楽しかった応援団の練習は終わり、またいつもの毎日。
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