プロローグ

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小さな少年がオレに尋ねた 「神様ってどこで何してるの?」 オレは少し面倒臭く思いながら 「神様なんて―」 『いないんだよ』と言いかけてやめた。他人の視線を感じたからだ。少年の母親らしき人がこちらを見ている。期待を込めたような目に見えたのは自意識過剰だろうか? オレは心底面倒臭く思いながら 「みんなの心の中にいて、みんなを見守ってるんだよ」 と言った。まぁ、嘘じゃないかな。母親も満足そうだ。信じる人の心の中には神様がいて、辛いときはそこにすがれば気が紛れるんだろうから。 でも聖職者のオレがこんな事言っちゃダメか。でも仕方なかったんだ。オレは捨て子で、拾ったのが修道院だったから。絶対に叶えたい夢があるわけでも無かったから、戦の影響で人手不足の聖職者になる以外無かった。
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