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あれは高校最後の夏休み。
友人の兄が誘ってくれた一週間の旅行。
昼は海で泳ぎ夜は祭りにと高校最後の夏休みとして大騒ぎするハズの旅行だった。
メンバーは友人兄弟と僕の三人のみ。
気兼ねなくいこうとの友人の兄からの提案で…。
僕ら三人は海につくなり騒ぎまくった。
男三人じゃつまらないからとナンパもしたが…
結果はこの際おいておこう。
海底に腕時計を沈め誰が早く取ってこれるかなどという今思えばくだらないゲームも真剣に遊んだ。
遊び疲れて波打ち際で漂っているとビーチボールが流れてくる…。
それを掴み辺りを見回すと小学校低学年位だろうか、少女がこちらをじっと見ていた。
「君のかい?」
話しかける僕に少女は無言で頷く。
「はい。なくさないようにね」
ボールを渡したが少女は去ろうとしない。
何かを言いたそうにこちらを見つめたまま…。
「ん?どうしたの?」
尋ねてみた。
「あのね…。お兄ちゃん達と私も遊びたいな」
そう呟くと下を向いてしまう。
僕は子供から好かれたし好きだった。
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