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「いいよ、なにして遊ぶ?」
とたんに少女はとても嬉しそうな顔をあげ
「さっきお兄ちゃん達がやってたやつ」
なるほど。僕らは真剣にやっていたのだが楽しそうに見えたわけだ。
「お父さんやお母さんは?挨拶しとくよ」
保護者には伝えておかないと。
「早紀ちゃんがあっちにいるよ」
「早紀ちゃん?」
「あっと、お母さんはあそこ」
少女は海の家にくつろぐ女性を指さした。
「早紀ちゃーん」
少女が大きな声で女性の名を呼ぶ。それに気付き女性が手を振る。
「早紀ちゃん気付いたみたいだね。お兄ちゃん行くんでしょ?私リナ。カタカナでリナだよ」
「僕はコウ。同じくカタカナでコウ。」
「一緒だね」
「だね」
リナは嬉しそうに笑った。友人にリナを預けた僕は海の家へと向かった。
先ほど早紀ちゃんと呼ばれていた女性が僕に気付ききちんと座り直す。
「えっと、早紀…さんですか?リナちゃんのお母さんの…」
「はい、そうです」
若い…とても小学生の子供がいるとは思えないほどの雰囲気を出している。
なにより美人だ。20代前半くらいか?
「あの…何か?」
押し黙ったままの僕に不思議そうな顔で声をかけてきた。
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