━召使①━

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玄関のチャイムが鳴った時、中田 江美子は掃除を終え、洗濯機はまだ〈洗い〉の最中だったので、居間のソファに寝そべってTVをみていた。 『はーい』 と返事をしたついでに大欠伸(おおあくび)が出る。 何とも色気のない話である。 誰だろう?━江美子の頭の中を、さまざまな推測が駆け巡った。 洗濯屋は火曜と金曜と決まっているが今日は水曜だ。何かの集金という時期でもない。保険の勧誘か、それともセールスマンか。 家族計画のセールなんていうのも、これくらいの時間によくやって来る。 まあ、何にしてもあまり歓迎すべき客とは思えなかった。
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