眠り姫

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「さぁ 鯉もご飯食べたし 部屋に行って やっちゃいますか?」   手をパンパンとはたき 早百合は立ち上がった。   「な…何をやるの?」   暢気に聞く私に 早百合は振り返り。   「宿題よ…シュクダイ! 嫌な事は 先に済ませる! 違う?」   よほど昼休みに寝たのが 良かったのか 早百合は回復してしまっている。   「はぁ~ぃ…そうですね…」   面倒臭そうにしてる私の手を引いて 早百合は家に向かって歩き出した。   「ハイハイ さっさと歩く」   マズは おやつタイムじゃないのか? 勝手に豪華なおやつを想像していた私は 家の中へ 連れられていく。   広い玄関を後にして 白い階段を上がり 2階にある 早百合の部屋に入る。   いつ見ても お姫様ばりの 部屋だ。   ピンクのレースで統一された部屋。 ベッドもカーテンもソファーも ブリブリだ。   落ち着きが無い。 一体こういうインテリアはどこで購入するんだ?   「ちょっと待ってて… あっ 待っててじゃなく マズは自力でやってて…私着替えちゃうから…」   そう言って早百合は 部屋にあるドアを開けて入って行った。   そこは 以前見せて貰ったが 広いクローゼットなのだ。 芸能人並に 広いクローゼットルームなのだ。   私なら 自慢じゃないが、そこだけで部屋に出来るぞ。   しぶしぶ 部屋の中央にある白地に赤の水玉模様の 円形テーブルに 教科書と宿題のプリントを広げた。   古文の宿題だ。 古文は地味で嫌いだ… 古文に限らず 国語はつまらない。   この時の作者の気持ちを答えよ なんてテストの時にそんな問いがあるが そんなの 作者にしか解らないだろ? と書いてやりたい…   ブツブツ言いながら 問題を解いてると これまたブリブリな部屋着に着替えた早百合が クローゼットから出てきた。   あー 早百合も部屋の家具の一部みたいに しっくり来るわー そのリボン感。   しばし見つめてると 早百合に ぴしゃりと言われる。   「ハイ!ぼーっとしない!」   「あ!はい…」   私はプリントに目を戻した。 何だか家庭教師みたいだなぁ…
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