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そんな事ばかり言う早百合だが 完全に痛い子なのかと思いきや
勉強の成績は 常にトップクラスだから 全く不思議でしょうがない…
「もう…ちゃんと話し聞いてよ…本当に深刻なの…
もう2日も ろくに寝てないんだ…」
スピードを緩めず歩きながら 早百合の顔を見れば
確かに 目の下に クマが
出来ている。
「解ったわよ…聞くよ
でも くだらない内容だったら 私昨日の宿題 まだ終わってなくて 早めに登校してるんだから スグに却下よ…」
上履きに 履き変えながら
私は 早百合を睨んだ。
「うん あのね私は アラトゥーヤ国の 姫なの…私は 王様の三人居る娘達の中の 末っ子で…」
「ハイ!ハイハイ!そこまで!」
私は 掌を大きく広げ
早百合の 口元に出した。
もう 喋るな…のポーズだ。
「いや違うのーこれは妄想じゃなくて 夢の話しで…」
早百合は 必死になり
クラスに向かう私を 上履きのカカトが 入りきって無いまま 追い掛けた。
「言ったよね?私は宿題が終わってないから 早めに登校しているって…」
教室に入り 自分の机に私は ノートを開きながら
早百合を睨んだ。
「聞いたよ 宿題なんて
私のを写せば良いでしょ?
とにかく聞いてよ!」
ほー!
それは 嬉しいね…
内心 ほくそ笑みながらも 聞きたく無いけど 聞いてやるという態度を崩さず
私は 早百合の話に耳を傾ける事にする。
「解ったわよ じゃあーノート写しながらで良いかな? お姫様…」
「ハイ ノート… あのね4日前から 眠ると夢を見るんだけど…」
早百合はノートを私に開いて見せて 神妙な面持ちで話し出した。
ウワーさすが 早百合…ノート綺麗にまとまってるなー
私は上の空で ウンウンとうなづく。
「夢は 皆見るよー」
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