眠り姫

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「夢じゃなくて、実際違う次元で起きてるみたいにリアルなんだもん…」   頭を抱える早百合。   「でそのトパピ王国は、アラヌーヤ王国にどんな条件をだしたの?」   早百合が顔をギュッと上げた。   「茜ちゃん、真剣に聞いて無いわね?…ト・ポ・パ王国よ!それに私の国は、アラトゥーヤ王国!」   何でも良いだろ? 中間テストにでも出るのか? 内心思いながら…   「あ…あぁ ごめんね… トポパ…王国は 何て?」   「援助するかわりに、国王の 一人息子…つまり将来の国王の嫁に 三人姉妹の内 一人を 頂きたいと…言って…きた…の…」    最後は 涙で言葉が 詰まる 少し呆れ返る私… もう少しで 授業が始まる 生徒達が それぞれの席に付き出した。   「私には 好きな人が居るの 城の警護をしている人…なのに 姉二人は絶対行きたく無いと 父に抗議… 結局 気の弱い私に 父が 土下座迄して 頼み込むから 泣きながら承諾したわ… トポパ王国の王子様は デブで色白で 髪は赤毛のグルグル天パで 目が細くて どこ見てるか解らない。しかも 常に ベアーちゃんという熊のぬいぐるみを 手放さない35歳…」   「うーわ…マジ…夢とは言えキモいね…」   聞くと二日前迄、夢はずっとストーリーが連続していて 二日前が結婚式の前日迄の内容だったらしい…   とてもじゃないが 結婚式当日のストーリーを夢で見るのが嫌で 二晩寝ないで過ごしたとの事だ。 寝てないのは早百合の目の下のクマが証明している。   「おい 近藤!何一条泣かしてるんだよ…怖いなー」  クラスの男子が 寄って来た。 おいおい…私が泣かしてるのか? キャラ的に いつもこうなる。失礼窮まりない。   「うるさい!今相談にのってたんだよ!授業始まるから あっち行け馬鹿!」   コエー! 馬鹿男子生徒は 叫びながら席に着いた。   「だから 私、次に寝たら 負けだと思うの…」   憔悴しきった顔で 早百合が呟いた。   「話は解ったよ 取り敢えずさ 授業始まっちゃうから 席に戻りなよ…ね?」   早百合は 力無くうなづいて 私の斜め左側の後ろの 席に移動した。
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