眠り姫

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教師が 教室に来た。一時間目は英語だ。   朝から英語なんて 聞きたく無いよー… 英語 数学 大嫌い… 一応 集中してる振りをしつつ 他の事を考えていた。  「一条!オイ!何寝てるんだ?」   突然 教師が叫んだ。 私は ビクンと跳ね上がった。 一瞬自分が 怒られた様な 錯覚を起こした。   (一条? 早百合?)   振り返ると 寝不足が祟ってるらしく 寝ぼけた表情の早百合が居た。 まだ 状況が理解出来て無い様子。 クラスメートが 皆早百合に注目している。   「あ…すみません…」   早百合が ぶつぶつ言った。英語の教師は ムッとしたまま   「一条…授業中に寝た罰として 39頁の10行目から 日本語に訳して答えなさい」  先生、意地悪ね… 寝たのは悪いけどね 早百合大丈夫かな?   「はい…」   早百合は よろめきながら 立ち上がり 教科書の39頁を探す。 皆が 見守る中 数秒ボンヤリした顔で 頁を眺めると ペラペラ ペラペラ英文を日本語に訳して しゃべり出した。   凄い 私の知らない単語も スラスラ文章になっていく… こいつ、頭良過ぎる…   教師 ポカーンな顔で 聴き入ってる。 まるで 元々日本語の文章の載ってる教科書を読んでいるかの様な 滑らかさ。   1頁全て訳した頃 やっと教師は 我にかえった。   「あぁ…一条 もう良い 座りなさい…もう寝るんじゃないぞ」   「ハイ 気をつけます…」   カクンと落ちる様に、早百合は席に着いた。   それと同時に 一時間目の終了のチャイムが鳴り 再度 起立しなければならないのだが 早百合はぼーっとしたまま席に着いていた。   幸い席が後ろの方なので 教師に 見付かる事は無かったが、重症だな こりゃ…  「早百合 大丈夫?早退したら?…」   私は早百合の肩を ポンと叩いて言った。   「解った…わ…」   早百合が ボソッと呟いた。  「え?今 なんて?」   聞き取れず 私は早百合に顔を近付けた。   「解ったのょ 周りに人が居る時は あの夢は 見ないで済むのよ!今 寝ちゃったけど 何も見なかったわ」
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