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早百合の 目の焦点は
全く合っていなかった。
綺麗系の早百合なのに…
ちょっと 恐い…
「ねぇ 茜…今日 うちに
泊まってよ…ね!うち昨日から 両親が結婚記念日旅行とかって 二人共居ないのよ しあさって迄 帰って来ないのよ…」
「はぁ?泊まれって?」
何て 提案なのだ?
私 人の家ってなかなか熟睡出来ないのよねー
「それから 大学生の姉も 所属してる同好会の 合宿みたいな事をしてて おとといの晩から 家に居ないのよ…だから家に一人きりで 二晩寝ない様にするの大変だったんだ!茜が居てくれたら 寝ても夢見ない筈なのよ!」
最後は 腕に縋り付きながら 早百合は懇願した。
そこで無情にも二時間目の始まりを知らせるチャイムが鳴り響いた。
「あ…授業始まっちゃう 後で又話そうね…」
絡み付く早百合の手を 解きながら 私は逃げた。
「うん 絶対よ!ねっ?」
そして早百合は二時間目から四時間目迄 ほとんどうつらうつら状態で過ごし
各教師に説教されたり
具合悪いのかと心配されたりしながら やっと昼休みをむかえた。
「早百合…大丈夫?まず昼ご飯食べようよ…」
私は弁当を持ち 早百合の席に近付いた。
早百合は ハッと顔を上げた。
「あ…茜ちゃん 泊まりに来てくれる?」
目が 血走ってる。
人間は 二日寝ないだけで
こんなに疲労困憊するものなのか?
「解ったよ…一度家に帰って 支度してから行くから… それで良い?」
「あー!助かったぁー!茜ちゃん ありがとう…」
そう言って 早百合は机に突っ伏して 寝てしまった。
「早百合…昼ご飯は?まっ良いか…一食くらい抜いても死なないよね?寝なさい寝なさい 午後の授業もある事だし…」
私は スースー寝息を立てる 早百合を見ながら 弁当を食べた。
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