1人が本棚に入れています
本棚に追加
寒い…
氷りそうだ…
そして、暗い。ちゃんと見えてるのに分からない。
再びあの辛い寒さと暗い世界に捕らわれた。捕らわれたと言うか自ら入ったと言うべきか。
何もかも無意味に思える感受性ゼロの世界…
ただ寒さはだけは感じる世界。
愛を失った者がたどり着く闇の空間。
そこに、一筋の光
明るい日差し!
一瞬にして色を取り戻し、全てのものに、意味を認識させてくれる光…
再びあの光に逢えるだろうか?
とにかく今は眠ろう。
とにかく今は何も考えられない。考えたくない。
とにかく今は…
トン トン トン
トン トン トン
誰?
トン トン トン
もう良いから、そっとしておいて。
トン トン トン
だから、もう止めてくれ。
トン トン トン
俺は我慢出来ずに扉を開けた。
扉の向こうには、一億2000万年前から愛してるあの人が優しく微笑んでいた。
その瞬間!色が咲き誇り、美しい音色と暖かい気持ちがオレを包み込む。
世界は意味あるものへと変わった。
そして、オレはあの人の手をとり殻の外へと…
あの人と一緒に素晴らしい日々を。
終わり
最初のコメントを投稿しよう!