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『手段としての通貨Ⅰ』
昔々、その昔。
太郎さんは魚を釣ったんだけど、その日の晩は野菜を食べたかった。誰か野菜くれないかなぁ、と歩いていると次郎さんに出くわした。でも次郎さんが持っているのは山で捕ってきたウサギ。いや食べたいのは野菜で、肉ではない。そう思って太郎さんは大した話もせずに次郎さんとその場を別れた。
しばらく行くと、花子さんに会ったのだが、花子さんはお目当ての野菜を持っていたんだ。そこで次郎さんは、頼んだ。その野菜分けてくれないか?
しかし花子さんは、分けてあげるのはいいがそれじゃあウチの分がなくなる。何か他のものと交換だったらいいよ。
じゃあ、この魚と交換してくれ。これならいいだろう?と太郎さん。しかし花子さんは、いやいや、魚は昨日食べたからいらない。肉なら交換してあげてもいいよ。
困った太郎さんは考えた。ちょっと待っててくれないか。そういうと太郎さんはさっき会った次郎さんのウチへと急いで行った。
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