2人の出会い

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
ある日、バートは風の丘と呼ばれる丘の天辺にある、木の上で遠い景色を眺めていた。 その丘からは、ここ周辺の森、湖、草原を見下ろすことができ、その丘の天辺には一本の木がはえてるだけ、あとは草原のみが広がる。だけど、木の上から見える景色は絶景だ。 でも、バートに見えるのは絶景ではなく、遠くの空にある薄暗い雲しか目に入らなかった。 バートは朝いつもここへ来ては、傷ついた羽を精一杯動かし木に登る。 登った後は痛みが走り、15分から30分ぐらいうずくまった後、遠くを眺め、日が落ちる頃家に帰る。そんな生活がずっと続いていた。 そして、そのある日のお昼頃2人は出会う。 ミルクは普段散歩するのが好きで、よく色々な所に出歩く。この風の丘は、ミルクの村からは少し遠いが、もう村周辺を歩き尽くしたミルクは、今日は遠くへ行こうと決めていた。 ミルクは走って丘の上に登り大きな声で、 ミルク「うわ~、お~」 っと叫ぶ。 それはそうだ。こんな景色見たら誰だって叫んではいられない。 その時、バートは、 バート「うるさ~、もう、こんな所で叫ぶなんてベタすぎだろ。木には登って来るな…来るな……」と心の中で呟く。 ミルクは、バートのそんな気持ちを裏切るよう、高鳴る気持ちを押さえきれず木に登ろうとした。 丁度、その後バートはどんな奴か見てみようと軽く見下ろした。 目がパッとあった。 バート「うわ~、目があった」 ミルクが陽気に話しかける。ミルク「こんにちは、そこから見える景色はどうです?」 バート「まぁまぁ…」 全く、愛想の無い口調で答える。 ミルクは気にせず会話を続ける。 ミルク「君の名前は?」 バート「バート…」 ミルク「よくここにくるんですか?」 バート「たまに…」 ミルク「そちらに行ってもいいですか?」 バートはコクリと頷くが超嫌がっていた。 ミルクは横に座り、 ミルク「うわ~、すごいですね。こんな景色久しぶり見た」 だが、その言葉を発した後、ミルクは急にダンマリとする。 そこから10分ぐらい沈黙が流れる……… その後、急に立ち上がり、 ミルク「そろそろ帰ります。」 と言い、木から降り、10m程歩いて、こちらを振り返りると、 ミルク「また、来てもいいですか?」 と問いかける。 バートは、小さくコクリと頷くいた。 そして、ミルクは帰った。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!