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ーパシンッ!
辺りに広まる乾いた音。
周りの空気がピリピリと電気を帯びているようだった。
『……な、何?』
そんな空気の中にわたしはいた。
いた。って言ってもたまたま下校途中に通りかかっただけなんだけど…。
周りの人が皆注目している視線の中心にいたのは…同じ学校の有名人であるその人物。
『……雅くん?』
どこにいたって目立つほど格好良いと言われてるうちの学校の有名人。
【塚本雅】(ツカモト ミヤビ)くん。
どのくらい有名かって言うと…雅くんと話すだけでも最低3つ…起こることがある。
ひとつは、雅くんは格好良いが故にファンも多く…一言話すだけでファンにリンチをくらうこと。
ふたつめは、雅くん自体も理想がものすごく高くて学年1の美人とか学校1の美人とかじゃなきゃ相手にしないということ。
みっつめは、今現在も目の前で繰り広げられてる事がそう。
「あたしのことは、遊びだったわけ!?」
「誰もお前なんか好きじゃねえよ。勘違いすんな。」
「最低っ!!!」
「最低?
お前が勝手に勘違いしただけだろ?お前がオレを誘って来たから一緒に行ってやった。
それだけで十分じゃねぇか。」
「…あんた…」
そぅ…。
雅くんは女グセがすごく悪いってこと。
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