序章

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「灰、仕事」 「…………」 返事が無い。 というか、反応が無い。 もう、意識が明後日だ。 「こら、灰!!」 耳の傍で、一発。 「…っ、薙かよ」 おいおい。 薙かよ、って酷くない? 結構効いたのか、凄い形相で睨まれる。 「だから、仕事」 俺も負けじと、ニッコリ。 あの日から、灰は変わった。 よく、表情を見せるようになった。 まぁ、いい意味でも悪い意味でも。 しかし、その代わりとでもいうように、ぼぅ、としている時間が増えた。 今もそうである。
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