序章

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「はぁ……。ぼっ、としててもいいけど風邪ひくなよ」 葉が色付き始める時期。 庭の紅葉が、所々紅く染まっていた。 「分かってる。で、仕事は?」 俺は足を止める。 「…………これ」 一枚の紙を、手渡す。 「………?」 灰が、不思議そうに首を傾げる。 やっぱり、そういう反応ね…。 俺もそうだったから。 「………いつからここは万屋になった?」 「いや、だって……」 ちょっと事情が、ね?
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