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「……すまないな」
「全然!俺も一人だったからさ」
「一人って……お前、一人暮らしなのか!?両親はどうしたんだ?」
「ん~~、俺が中学生になった時に消息を絶ったからな。……分かんねぇや」
と、気楽に笑う。
そんな俺を彼女は驚いた表情で見つめる。
「お前!寂しくないのか!」
「う~ん………寂しいっちゃ寂しいけど、まだ生きてるかもしれないじゃん。だから余り寂しいとは感じないかな?」
そう言って俺はまた笑う。
まあ案の定、美優は深く追求してこなかったけど。
「俺のことはどうでもいいからさ、とりあえずシャワー浴びなよ。あ、狭いから気をつけて」
俺がそう指摘するとおもむろに彼女は立ち上がり、シャワールームへと向かった。
――シャワールーム
「なんだ、ボタンがないじゃないか?これじゃあシャワーを浴びれないぞ」
・・・・何と言うか、一般常識というものを彼女は知らないためか、お湯を出すことができないのであろう。
でもそんなに大きな声出さないでも……
「コノッ!ほりゃ!てぇい!」
健気に何度も押し続けているのだろう、『ガン!ガン!』という打撃音しか聞こえてこない。
「しょうがない。不本意だがアイツの手を借りるとしよう。
オーイ!ちょっと来てくれ!」
案の定、俺は2秒で来た。
だが、予想外の事態発生。
ガラガラ!
いきなりのドアオープンにより、かなり際どい恰好をした美優が登場。
視線を上から下………ブフッ!!
「スマンがお湯を出してくれ。私にはさっぱりなんだ」
「・・・・・・ぬうぉぉぉぉぉぉーーー!!!!!」
ショックが強過ぎた。
数秒の思考停止の後、俺の絶叫がこだました。
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