普遍的不変の終結

2/10
前へ
/13ページ
次へ
カタカタカタカタ...... 真夜中の空に軽いパソコンの音が聞こえる。開け放った窓から8月の粘りつくような風が入ってくる。部屋のはじっこ、ぎりぎり、月が見えるか見えないかという位置に机を置いて、私はパソコンを叩いていた。 「あぁ、つまらない」 私は一旦手を止めると、椅子ごと後ろにそった。適度に散らかった自分の部屋が、虫眼鏡を通したようにひっくり返って見えた。何もかも、代わり映えしないモノばかり。単調な毎日に嫌気がさす。でも、だがらと言って、別に死のうとは思わない。あれは、まったくもってエネルギィの無駄遣いだと思う。 「どうして?」 不意に、パソコンに文字が表示された。私の手は未だに空を掴んでいて、パソコンには触れていなかった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加