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そんな生活が続いて小学5年生になったある日、いつものように空き缶拾いをして帰って来ると珍しく家に母親がいた。
母「お帰り」
俺「何だよお帰りって?」
母「挨拶だよ。いけないかいかい?」
俺「いや。でもなんで家にいんだよ。今日はもう終わりかよ。」
母「今日はあんたの誕生日じゃないかい?」
俺「そうだけど。・・・・覚えてくれてたんだ。」
母「当たり前じゃないか。はい、プレゼント。」
そう言うと母親は20㎝くらいの細長い包みを渡してきた。俺「何これ?」
母「開けてごらん」
開けてみると中にはサバイバルナイフが入っていた。
俺「ありがとう。でもなんでナイフなの?」
母「今日やった人がなかなか紳士的な人で、護身用にどうぞってくれたんだ。」
俺「そうなんだ。」
母「でもあたしには必要無いだろうしあんたにあげる」
俺「わかった、ありがとう。大事にするね。」
母「狂夜、大事な話があるんだけどいいかい?」
俺「なんだよ母さん。」
母「実はね…今のやってるの止めて真面目に働こうかと思うんだ。」
俺「そうなんだ。それで?」
母「それであんたをおばさんの家に預かってもらおうかと思うんだ。」
母親からの初めてのプレゼントのナイフを磨きながら浮かれてた俺はその言葉に驚いた。
俺「なんで!?俺何か悪いことしたか。おばさんのとこに預けられるってことは母さんと別れるってことだろ?」
母「そうだね」
俺「ならなんで!」
母「働きながらお前の世話をするのは大変だからさ。分かって頂戴」
俺「でも・・・」
母「お願い」
俺「・・・分かった」
母「ありがとうね」
そうして俺はおばさんのとこに預けられることになった。
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