光秀の苦悩

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そして再び明智光秀である 光秀は家康の接待役を そつなくこなしていた そんな光秀を見た 信長は 信長『金柑頭め…らしからぬ働きじゃのう』 っと珍しくも上機嫌であった そして安土城での宴の時が来た 豪勢な料理が運ばれ 信長が魚に手をつけようとした時 信長の様子が変わった みるみると目はつり上がり 眉間にシワを寄せ こめかみに血管を浮き上がらせていた そんな様子を見た他の家臣達は信長の怒りが込み上がってるのを肌で感じ 怒りの矛先を向けられないよう下を向いていた 信長の怒りは頂点に達し 光秀を睨み付け 今にも飛びかかる勢いであった 信長『み…光秀…』 と地獄の底から響くような低音で呟いた時 1人の男が叫んだ 『うまい!これは美味ですな!』 その男は、小肥りの中年男みたいな容貌 見ように寄っては狸に見えなくもない その男こそ 徳川家康であった 家康『信長様、よくこの料理をご存知で!一見腐った魚のように見えまするので口にしたのは 意外に少ないわけなんですが食べてみると病み付きになる味ですなぁ』 信長の様子の変化に 顔は青ざめ体をガタガタ震わせていた光秀で あったが意外か援軍により呆気に取られていた 信長『ほう。徳川殿はこの魚料理をご存知で?』 家康『この家康。食べ物には目がありませんので 珍しい物はなんでも食しますのじゃ。おかげ様で 狸のような体になってしまいましたがの。わっはっはっは』 と家康は高笑いすると 釣られたかのように 信長も 『ふっふっふ。フハハハハ』と笑い出した 信長が笑うと 安心したのか他の家臣も笑い出した しかし、その中で 1人だけ笑わず拳を握りしめ下を向いてる男がいた。 明智光秀である。
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