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明智光秀は、近衛前久と会っていた
近衛『光秀殿…帝が嘆いていらっしゃる…』
光秀『なんですと!如何なされました?』
近衛『……わからぬか…安土殿のなさりようじゃ 幾度の朝廷への介入。
蘭ジャ待の切り取り強行…』
近衛『安土殿はいずれ朝廷を潰すつもりでおじゃろう…』
光秀『いくら上様でもそこまでは………』
近衛『いや、あのお方は朝廷など意にも介しておらぬ。』
光秀『………』
近衛『そうなる前に…手を打たないと…わかるな?光秀殿…』
光秀『………』
意を決したかのように
近衛前久は書状を取り出した
近衛『光秀殿、これは帝からの勅命じゃ。』
光秀『!!!…お…織田信長を…う…討て…』
近衛『決心できたならば、その勅命は燃やすよう…』
光秀『しばしご猶予を頂けませぬか…決めかねませぬ…』
近衛『よかろう。しかしあまり時間はないでおじゃる…安土殿は毛利攻略出兵すると聞く、機会は幾内にいてる時ですぞ』
光秀『わかりもうした…』
光秀は坂本城に戻ると
天海(半兵衛)を呼び寄せた
今や光秀にとって天海(半兵衛)は良き相談相手になっていた
光秀『天海…近衛様からとんでもない物を頂いた…』
天海(半兵衛)『ほう…なんでござりましょう…』
光秀『勅命じゃ…』
と光秀は書状を天海(半兵衛)に渡した
天海(半兵衛)が読んでるにも関わらず
光秀が問いかける
光秀『わしは、もうどうすれば良いのかわからぬ!』
天海(半兵衛)『信長様に恨みは…今まで信長様にされた事、水に流せますのでしょうか…』
光秀『恨みはある!しかし、それ以上にわしは上様が怖い!わしに上様が討てるものか!』
天海(半兵衛)『では、問いまする。光秀殿は明智家と朝廷どちらが大事か?』
光秀『………』
天海(半兵衛)『武将として、歴史に名を残すのと臆病に吹かれ朽ちていくのとどちらがよろしいか?』
天海(半兵衛)『勅命が降りたのであらば、正義は光秀殿にあり!例え討てなくても後世の人々は
日の本から魔王を倒そうとした勇者と崇めるでしょう…』
光秀『魔王……そして、わしは魔王を倒す者…』
天海(半兵衛)『そうでございます…あなたは帝に選ばれた勇者でございまする…』
その時、光秀の目に光が宿った。
先程までの狼狽えぶりは
消え失せたのである
光秀は勅命を手に取ると火をかけ燃やした
光秀『織田…織田信長を討つ!!』
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