本能寺の変

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本能寺の変より3日前 竹中半兵衛と雑賀孫一は 京の郊外にいた 孫一『半兵衛。こんなとこに何があるんだ?』 半兵衛『いかなる場所 いかなる寄宿所であろうと 抜け道の確保をするべし』 孫一『は?』 半兵衛『上様ほど、警戒心の強いお方が 抜け道を確保しないはずありません 私が上様なら、本能寺に抜け道を作り 安土とは逆方向に出口を作ります』 孫一『どういう事だ?』 半兵衛『上様の本拠地は安土城 何かあれば敵は、安土方面に守りを固めるでしょう。 なので、手薄になるでありましょう 逆方向に出口を設けるのです』 孫一『なるほど、そしてお前はその逆をつくってわけか』 半兵衛『はい、上様であれぱ必ずこちらに逃げてまいりましょう』 孫一『案外、諦めて本能寺で腹でも掻っ捌いてるかも知れないけどな。』 半兵衛『そんな安易に諦める方ではありませぬ。あの方、最後までもがいてでも 生き抜く方です』 孫一『確かに、そうだったな…』 と織田信長と戦った過去を思い出し 呟く 半兵衛『ですがもし、上様が私の考えの上をいき抜け道が見つからなかった時は…私逹の負け…』 孫一『おいおい、勝手に勝ち負けを決めるな。 勝負は蓋を開けて見なければわからない。』 半兵衛『ふっ…そうですね…面白い事言いますね。孫一殿』 孫一『おまえ、初めて笑ったな。』
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