真・竹中半兵衛記

信長脱出

信長『お蘭！鼓を持て…』

森蘭丸『はっ！』

森蘭丸は静かに鼓を叩きだした

人間50年

下天のうちをくらぶれば

夢幻の如くなり

ひとたび生を得て

滅せぬ者の有るべきか

信長が舞終えると

バキッ！バターン！

『信長じゃ！信長がいたぞ！！』

明智兵が雪崩れ込んできた

明智兵、信長目掛けて
突進していった

敦盛を舞ったばかりの
信長は素手であった

信長『ぬうう…！』

ガキッ！！

森蘭丸がとっさに
信長の前に出て明智兵の
刀を受け止めた

森蘭丸『上様！お逃げくだされ！！』

ドカッ

蘭丸は刀で受け止めながら、明智兵を蹴り飛ばした

しかし、続々と雪崩れ込んでくる明智兵は
次々と蘭丸に襲いかかった

蘭丸『ここは、通さぬ！！！』

ガキッガキッガキッ！！！

蘭丸は一本の太刀で
三本の刀を受け止めた

しかし、さすがの蘭丸も3人の兵の力に負け
受け止めた太刀は
少しずつ蘭丸の眼前に迫った

蘭丸『も…最早、これまでか…』

その時であった

ズバアアアァ！！

3人の明智兵の首がいっきに飛んだ

蘭丸『う…上様…』

信長は刀を取ると
ひと振りで3人の兵の首を飛ばし
蘭丸を助けたのであった

蘭丸『上様！何をなされておりまする！早くお逃げくだされ！！！』

信長『うぬも一緒に行くのじゃ！死ぬ事はこの信長が許さん！！これは命令である！』

蘭丸『上様…』

信長は残りの明智兵に突撃し

蘭丸が後に続く

信長と蘭丸の不意な
突撃に明智兵は怯んだ

信長と蘭丸はその隙をついて次々と明智兵を
切り伏せていった

『ば…化け物じゃぁ～！！！！』
っと叫びながら残った明智兵は一度退いた

信長『今じゃお蘭！脱出するぞ！！』

蘭丸『はっ！』

ダァーン！

『うぐぅ…』

信長『お蘭！！！』

一発の銃声が鳴ると共に
蘭丸は片膝をついた

明智兵の鉄砲隊の１人が
襖の入り口より狙っていたのである

信長は持っている刀を鉄砲隊の１人に投げつけると
見事刀は眉間にささり倒れた