信長脱出

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信長は蘭丸の首を抱えていた 信長『お蘭!しっかりするのじゃ!死んではならぬ!うぬがいなくては、この信長の世話、誰が致す!!』 しかし 蘭丸『ゴフッ』 っと蘭丸は血を吐いた 蘭丸『う‥上様…某は…もう‥逃げられませぬ… 』 信長『何を申すか!共に本能寺より逃げおせて 再び天下布武を突き進むのじゃ!!』 蘭丸『う‥上様の…天下見とうございました…』 蘭丸は静かに目を閉じた 蘭丸の頬に ポタッ ポタッ と滴が落ちた 信長の瞳より流れる 涙は頬を伝わり 蘭丸の頬を濡らした 信長は蘭丸の太刀を掴むと 信長『お蘭…うぬの魂… 余と共に…』 言葉を残し 信長は本能寺の抜け道へと脱出した 『まだか!まだ信長は討てぬのか!!』 光秀が外で怒声を飛ばす 信長はひたすら 抜け道を走った 光秀の声 明智兵の声は 少しずつ小さくなっていく そして、信長は外に出た 信長『ククク…惜しかったな…光秀…』 『それはどうですかな?』 脱出した信長の前に 1人の男が立ち塞がった 信長『き…貴様は… 竹中半兵衛…』 半兵衛『お久しぶりでございまする…上様…』 信長『生きていたのか… むっ!さては…全て貴様の仕業か!!』 半兵衛『はい。』 信長『全て読めたわ…半兵衛…貴様、死を偽り光秀を唆した…そして、猿も…秀吉も一枚噛んでおろう…』 半兵衛『さすがは上様。よくおわかりで』 信長『あの光秀が独断で余に叛くとは、おかしいとは思っていたが… 半兵衛…余を討ち 秀吉に天下を取らせる気であるな?』 半兵衛は無言でコクッと頷いた 信長『ククク……是非もなし…』 信長『もっと早くに貴様を始末しておくべきであったわ…』 信長と半兵衛の視線が絡み合う 半兵衛『上様…ご覚悟なされよ』 信長『余は…余はまだ死ぬわけにはいかぬ…』 と言いながら信長は 一歩一歩半兵衛との距離を積めていった 信長『貴様をここで葬る!』 信長は太刀を半兵衛の頭を目掛けて振った ダァーン! ダァーンダァーン!!
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