秀吉の大返し

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秀吉は、姫路城で宴を催した それは重臣から足軽まで 分け隔てなく、存分に酒や料理を振る舞ったのだ 秀吉『皆のもの!我等はこれより天下分け目の決戦になる! がしかし… 今日は存分に楽しんでくれ!酒も料理もたんとあるぞ!』 『おおおぉ!』 っと重臣から足軽まで 天を突くような歓声が 姫路城内に響き渡った 秀吉は自ら家臣一人一人に声をかけながら酌をして回った 身分の低い者など 涙を流して喜ぶのであった 宴が盛り上がりきった頃 秀吉は黒田官兵衛連れて 夜風にあたっていた 秀吉『官兵衛…いよいよじゃのぅ…』 官兵衛『はっ』 秀吉『出来れば…半兵衛と共に戦いたかった…』 官兵衛『殿にとって、竹中様はなんでござりますか?』 秀吉『もちろん家臣じゃ…じゃが、それだけではない。師であり友でもある 今のわしがあるのは半兵衛のおかげじゃ』 官兵衛『その殿のお言葉を聞けば、竹中様も喜ばれましょう』 秀吉『わしは…光秀でに勝てるかの?』 官兵衛『勝ちまする。勝たないといけませぬ。 竹中様の為にも…』 秀吉『そうじゃの!負ければなんの為に上様を討ったかわからなくなるわ』 官兵衛『 はっ』 秀吉『官兵衛…頼むぞ 半兵衛が抜けた今 おぬしだけが頼りじゃ』 官兵衛『ははっ!竹中様と比べるとまだまだ力不足…いや知恵不足ですが 殿の為、出来る限りの知恵を絞りまする』 秀吉『ふふっ頼りにしてるぞ官兵衛…』 官兵衛『ははっ』 秀吉『少し寒くなってきたわ。中に戻ろうかの』 その頃、半兵衛は雑賀孫一と共に堺にいた 孫一『半兵衛、これからどうするんだ?秀吉が下に戻るか?』 半兵衛『いえ、私の仕事は終わりました。殿に私はもう必要ありませぬ。』 孫一『そうか、じゃあどうするんだ?』 半兵衛『やり残した事がひとつありまする…それより孫一殿は如何なされる? 雑賀の村には戻らないのですか?』 孫一『信長が死んだ事で 雑賀衆の反信長派が勢いを盛り返してるだろう 今、戻ったところで 殺されるだけさ』 半兵衛『そうでございまするか』 孫一『それにお前のやり残した事に興味がある… しばらくはお前に付きまとう事にした』 孫一『心配するな!俺の興味本意だから金はいらねぇ』
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