老嬢ジェーン67歳

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解放と嫉妬 さて、 この本で面白いのは、 いろんな男との出会いや別れの部分だけではない。 彼女の少女時代の性、 両親との関係、 結婚生活、 教師の仕事、 夫の浮気と自分の浮気、 過食症、 夫との別れ、 子育て、 息子の自立、 かかりつけの精神分析医への転移感情など、 自分のこれまでについて、 詳しく内省的に書かれているところがとても興味深い。 多感な時期を母親の厳しい教育のもとで過ごし、 やがてフェミニズムに触発され、 一方で常に自分の女性性に振り回され、最後は自分の欲望を自覚し‥‥ という、 一人のリアルな女の姿が浮かび上がってくる。
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