第一章 冷たい風が吹いてきた

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守るだけで攻めろと指示を出さない天馬についていけなくなった者が現れはじめたのだった。天馬は自分達を無視して高校生活を楽しんでいるといい、攻撃を仕掛けてしまった。それとは反対にそれでも天馬に付いていこうとする者が攻撃を仕掛けた者達と内乱を起こしてしまった。それに見かねたスコーピオンの副総長田山健二が静める。そんないざこざの中、スコーピオンのメンバーの一人がアンゴルモアのメンバーに袋叩きにされ植物状態になってしまった。これには天馬もキレた、アンゴルモアの隠れ家に乗り込み、チームを潰した。ただアンゴルモアの総長はその前日に逮捕されていて天馬はアンゴルモアのリーダーの顔も名前もしらない。それをきっかけに天馬はスコーピオンを解散させた。ただそれで行き場を失ってしまう少年達も出てきたので田山が新しいチームを作ったらしい。 そんなこんなで高校生活も終りの時がきた、大学へ行くか就職するか悩んだあげくやりたいことが見付からず大学にも行かず職にもつかず毎日をだらだら過ごしている。 「ハハハハハ!」近くにある大学の学生達が講義を終えて駅へ向かい帰っていく。県内では一番レベルの高い大学なのだが、じつは大樹もこの大学の学生だった。 大樹は何気無く学生達の群れに視線を送った。先にのべたようにレベルが高い為大樹はほとんど授業についていけない、この日もサボっているだけに少しこの場にいずらい・・・・ 「ぬわー!?」 「ノォー!?」 突然大声をあげて飛び起きた天馬に大樹と倉田はもちろん、土手の上を行く学生達の群れまでも驚いた。 「何?何?何なのさ!」大樹は学生達の視線が気になっていたことさえ忘れ驚き天馬にきく。 「・・・・またいつもの夢だよ」天馬は功三郎が殺されたあの日からよく同じ夢をみた。「愛理にすまんと・・・」功三郎の最後の言葉が脳裏に今も残っている、あの日の夢をみるたびに汗だくになり飛び起きた。 「同じ夢・・・・っか」大樹はばつが悪そうに石をおもいきり川に投げ込む。 「コラ~!!」突然叫び声が学生達の群れの中から飛んできた。 「ヤバ!優子だ!」大樹が立ち上がる。声の主は三人を見つけ鬼の様な形相で近付いてくる三浦優子だった。優子と天馬は幼稚園・小学校・中学校・高校と同じ学校に通っていた、家もすぐ近くで親同士も仲がいい、文字通り幼馴染みだった。
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