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「何であいつ怒ってるの?いつものことだけど」天馬が突然立ち上がった大樹を見上げてたずねる。
「俺あいつに今日ノート返す約束してたんだけどサボったんだ」そうこう言ってる間に優子が二人の元へやってきた。
「ちょっと!ノートなくて困ったんだよ!」優子がすさまじい迫力で大樹に迫る。
「あっいや、それは・・・」大樹は急いで言葉を探す。
「何?」
「いやっだからね」
「だから?」優子の迫力に大樹はどんどん小さくなってゆく。
「それくらいにしといてやれよ」天馬も立ち上がり助け船をだす。
「あんたも!何にもしないでダラダラと。女の子との出会いばっかり求めてないで、気の合う仕事との出会いを求めなさい」優子の怒りの矛先は天馬にも向けられた。
「いや別に女の子との・・・」
「何?」
「ハイ、すいません言い訳でした」優子のド迫力に助け船は沈没した。
「好きですねー」
「結婚式にはよんでくださいよ」突然学生服をきた学生が二人現れる、二人は天馬達が通っていた高校の後輩だった。先に声をかけた男、名前は上田剛、後で声をかけた方が丸山鉄也。
「何バカなこと言ってるのよ。それより今日はちゃんと学校行ったの?」二人はよく学校をさぼっていた。
「ちゃんと行きましたよ」
「午前中は」二人は悪びれる様子もなく笑顔で答える。
「またいい加減なことして!こいつらみたいになっちゃうよ」優子が天馬と大樹に振り替える。
「今だ!!」
「逃亡!!」天馬と大樹は優子が剛と鉄也に気をとられている隙をついて逃げ出していた。
「なっ!!逃げられた!!」優子が悔しそうに叫ぶと倉田が近付いてきた。
「倉田くんもあんなのにくっついてると人生失敗するよ」優子が優しく告げる。
「・・・」倉田は軽く頭を下げると二人の後を追うように走り出す。
「ハハハハハ!」二人は学生達の歩く流れに逆らいながら逃げてきた、息をきらし二人は笑った、少しすると倉田も追い付く。
「ハァハァハァ、優子のやつお前のこと好きなのかな?」大樹が天馬にきく。
「ハァハァ、な~につまんね~こといってんだよ」天馬は笑顔で返す。
「だよな・・・・」大樹が視線を上げると天馬と目があった。天馬は幼馴染みだよと言わんばかりに笑っていた。
「早く出してよ!!」突然二人の会話をさえぎるように怒鳴り声が聞こえてきた。そこに視線を投げると元スコーピオンのメンバーが一人の女学生をかつあげしていた。
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