第一章 冷たい風が吹いてきた

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「あの子うちの学生だ」大樹が今にもその場に乗り込みそうな天馬にいう。 「ふぇ?」 「ねくらな嫌われもの」大樹が続ける。 「で、周りで口説いてる奴らは元俺のチームってか?」天馬は一度倉田に視線を投げる。 「なら関わるのやめとくか?」大樹が天馬の顔色をうかがいながら聞いてみる・・・ 「行くよ」天馬と倉田はその輪に近付く。 ・・・こうなるのを恐れて。 「情けないな、弱いものしかいじめられないなんて」天馬が男達に話しかける。 「どなたかと思えば、偉大なる天馬ちゃまじゃん!」リーダー格の少年が天馬に近付く、すぐに倉田が天馬の前に体を入れた。他のメンバーが天馬を取り囲む。 「久しぶりだな国生」少年の名前は国生明正、内乱の首謀者である。 「田山がチーム作ったて話し嘘かな?こんなことあいつが許すわけねぇからな。もしかしてお前は仲間に入れてもらえなかったのかな?」 「相手チームにビビってた男が偉そうに・・・何が伝説の月夜だバカ」国生が天馬を睨みつけると倉田が国生の胸ぐらを掴む。 「仲間にい~れて」突然背後から声が聞こえその場にいた全員が振り替える。そこに立っていたのは高そうなコートを着てサングラスをかけた田山健二だった。 「久しぶりだな田山」天馬が笑顔で田山に答える。田山は後ろを振り返った。 「オメーにいってんだよ」天馬が田山に近付く。その後ろで先ほどまでかつあげされてた女学生が頭を押さえてしゃがみこんだ、それに気付く者はいない。 「天馬ちゃんどうしたの?」田山と天馬が握手を交す。 「かわんねーな田山」 「わかった!?ウチのチーム入りたくなっちゃったんでしょ、もと総長だからって特別扱いしないよ、まずは皿洗いからね」 「チーム名は?」 「健二と愉快な仲間達」 「・・・・」 「嘘です、黒い神風です」田山はスコーピオン時代から変わらない自由な会話をする。 「どっちにしろ変だ」田山のペースに飲まれることなく天馬も言い返す。 「マジで戻りたいんだったら8400円入会費はらってちょ」 「田山さん俺はそいつの入団認めませんよ、冗談じゃねぇ」国生が二人の会話に入ってきた。 「社長誰に意見してんだよ」田山がサングラスをはずし国生に近付く。 「すいません」国生が頭を下げる、田山は国生を社長と呼んでいた。 「ハイ、次気を付けて」田山という男はメチャクチャな男だったが人望はあつかった。
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