問題点その1

13/33
前へ
/141ページ
次へ
その瞳に何やら本気の色が混じっていて、旺汰は何をされるか分からずに優也を見返した。 「優也…?どうかしたのか?」 旺汰の顔から笑顔が消える。 そのまま見つめていると、優也が真剣な顔のまま旺汰の頬に手を添えた。 乾いた感触が肌に伝わる。 「……やっぱり――」 「え…?」 優也がおもむろに口を開く。 「前から思ってたけど、お前って可愛いよな」 「――…………」 一瞬、旺汰の頭の中が真っ白になる。 (かわ、いいって……誰が……?) 心の中で問いかけても、今周りにいるのは自分を熱く見つめている優也だけ。 そのまま思考回路が停止してしまい動けないでいると、優也の顔がゆっくりと近付いて来た。 優也の顔をこんなに近くで見たのは初めてかもしれない。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2342人が本棚に入れています
本棚に追加